新東京風景というのを何十人かの文士が書いてその日本橋を受けもった庄吉が偶然その探訪に於て彼女とめぐりあい、それより酔うとここへ通ってセッセと口説く。
然し彼女は昔の彼女ならず、お金持の紳士となら三日でも一週間でも泊りに行くが、庄吉ときてはとてもバアでは飲む金がなくて、後輩お弟子とオデン屋でのむ、後輩お弟子にまだいくらか所持金のあるのを見とどけると、あそこへ連れて行け、者共きたれ、といでたつ。
同輩先輩をつれて行かないのは女の前で威張れないからで、そこで後輩をひきつれて大いに威張るけれども、お金がなくて威張り屋というのは娼婦の世界で最も軽蔑されるもので、女学生時代のファンなどと庄吉はまだそこにつけこむ魂胆だが、先方ではもう忘れているツナガリにつけこまれるウルササに益々不愉快になっている。