この女学生が泊った晩、あいにく夏で、カヤが一つしかないからみんなで一つカヤにねたが、この晩庄吉は泥酔したのが失敗のもとで、夢遊歩行に倅の寝床を乗りこえ女房のバリケードをのりこえて女学生めがけて進撃に及ぶ。
女房に襟くび掴んで引き戻されても不撓不屈、道風の蛙、三時間余、もっとも成功に至らず、夜の白む頃に及んでようやく自然の疲労にノビて終末をつげたが、然し、まだここまではよろしかった。
浮気は本来万人のもの、酔ったからだと言ってはならぬ、浮気心のあるがままを冷然見つめる目があってその目が作品の根柢になければならぬものを、彼はその目を持ちながら、かかる目自体を俗なるものとする。