その文章もうぬぼれる程のものではないので、こんなチャチな小説で、ほめられたり、一躍新進作家になろうなどと夢にも思っていなかった。
そのころ雑誌の同人六、七人集って下落合の誰かの家で徹夜して、当時私たちは酒を飲まなかったから、ジャガ芋をふかして塩をつけて食いながら文学論で徹夜した。
その夜明け、高橋幸一(今は鎌倉文庫の校正部長)が食う物を買いに外出して、ついでに文藝春秋を立読みして、牧野信一が「風博士」という一文を書いて、私を激賞しているのを見出したのである。
その文章もうぬぼれる程のものではないので、こんなチャチな小説で、ほめられたり、一躍新進作家になろうなどと夢にも思っていなかった。
そのころ雑誌の同人六、七人集って下落合の誰かの家で徹夜して、当時私たちは酒を飲まなかったから、ジャガ芋をふかして塩をつけて食いながら文学論で徹夜した。
その夜明け、高橋幸一(今は鎌倉文庫の校正部長)が食う物を買いに外出して、ついでに文藝春秋を立読みして、牧野信一が「風博士」という一文を書いて、私を激賞しているのを見出したのである。