彼は酔っ払うと、ハダカになって寝てしまう悪癖があるが、このときは心中大いに面白くないから更にふてくされて、のびたので、だらしないこと甚しく、椅子からズリ落ちて大きな口をアングリあけて土間の上へ大の字にノビてしまった。
女と私は看板後あいびきの約束を結び、ともかく中也だけは吉原へ送りこんでこなければならぬ段となったが、ノビてしまうと容易なことでは目を覚さず、もとより洋服をきせうる段ではない。
仕方がないから裸の中也の手をひッぱって外へでると、歩きながらも八分は居眠り、八十の老爺のように腰をまげて、頭をたれ、がくんがくんうなずきながら、よろよろふらふら、私に手をひっぱられてついてくる。