辰夫は周期的に発狂する遺伝があって、私が十六の年彼とはじめて知った頃も少し変な時期だった。
これ迄は自宅で療養していたが、この時は父が死亡して落魄の折だから三等患者として入院し、更に又公費患者に移されていた。
家族達は辰夫の生涯を檻の中に封じる所存か、全く見舞にも来なくなった。
辰夫は周期的に発狂する遺伝があって、私が十六の年彼とはじめて知った頃も少し変な時期だった。
これ迄は自宅で療養していたが、この時は父が死亡して落魄の折だから三等患者として入院し、更に又公費患者に移されていた。
家族達は辰夫の生涯を檻の中に封じる所存か、全く見舞にも来なくなった。