私達は面会の時間中ボンヤリと屈託して、沈黙に悩むあまり、時々自分乍ら思いもよらない言葉を不意に喉の外へ逃がして気まずい目を伏せ合ってしまう。
心に泛ぶこともないので、明日からは断々乎として訪問を止そうと、私は頻りに其の愉しさを思いはじめるのであった。
すると鋭敏な辰夫は勝れた神経で忽ち私の胸中を推察し、別れ際には尚劇しく慟哭して、「迷惑だろうけれど明日も又、ね。
私達は面会の時間中ボンヤリと屈託して、沈黙に悩むあまり、時々自分乍ら思いもよらない言葉を不意に喉の外へ逃がして気まずい目を伏せ合ってしまう。
心に泛ぶこともないので、明日からは断々乎として訪問を止そうと、私は頻りに其の愉しさを思いはじめるのであった。
すると鋭敏な辰夫は勝れた神経で忽ち私の胸中を推察し、別れ際には尚劇しく慟哭して、「迷惑だろうけれど明日も又、ね。