そういうわけであるから、日本中の人達が忙しく働いていた最中に私ばかりは全く何もしていなかったので、その代り、三分の一ぐらい死ぬ覚悟だけはきめていた。
尤も私は日本映画社というところのショクタクで、目下ショクタクという漢字を忘れて思いだせないショクタクだから、お分りであろう。
一週間に一度顔をだしてその週のニュース映画とほかに面白そうなのを見せてもらって、それから専務と会って話を十五分ぐらいしてくればよいので、そのうちに専務もうるさがって会わなくともいいような素振りだから、こっちもそれを幸に、一ヶ月に一度、月給だけを貰いに行くだけになってしまった。