友人達は呆れて、どうせ焼けるじゃないか、と言ったが、私は浪費せずにいられぬ男なので、酒がのめなくなり、女遊びもできなくなり、本でも読む以外に仕方がないから本を読んでいたので、私は然しどんな空襲のときでもその本を持ちだしたことはない。
何一つ持ちだしたことがない。
人から預った人の物だけ出していた。
友人達は呆れて、どうせ焼けるじゃないか、と言ったが、私は浪費せずにいられぬ男なので、酒がのめなくなり、女遊びもできなくなり、本でも読む以外に仕方がないから本を読んでいたので、私は然しどんな空襲のときでもその本を持ちだしたことはない。
何一つ持ちだしたことがない。
人から預った人の物だけ出していた。