近頃は僕のところなどへも雑誌社の人、新聞社の人、色々と訪問にあずかるけれども、みんな男の子だからダメなので、せいぜい「大いに力作をお願い致します」などとはにかんで言うぐらい、日本革新の大気風など微塵といえどもないのである。
だから今朝はからずもインチキ文学撲滅の大命を拝して、僕がすくなからず慌てたのも、僕自身男の子だから旧態依然として身を以て世の新風を解しておらなかったせいであろうと思う。
それにしても立野女史ともある御方がどう間違えて僕如きに向ってインチキ文学撲滅の命令を発したのだか、すでに政界には三十何人かの代議士あり、文学界といえども、何々タイ子女史とか何々直子女史とか腕力衆にすぐれ突進又突貫殺人センメツ水もたまらぬ方々があるではないか。