死を見ること帰するが如しなどと看板を掲げて教育を施して易々と註文通りの人間が造れるものなら、第一に日本は負けていない。
かかる教育の結果生れた人格の代表が東条であり真崎であり、軍人精神の内容の惨めさは敗戦日本に暴露せられたカラクリのうちで最も悲痛なる真実ではないか。
日本上空の敵機は全部体当りして一機も生還せしめないと豪語した結果の惨状は御覧の如くであり、飛行機のことは俺にまかせて国民などは引込んでおれと怒鳴り立てた遠藤という中将が、撃墜せられたB29搭乗員の慰霊の会を発起して物笑いを招いているなど、職業軍人のだらしなさは敗戦日本の肺腑を抉る悲惨事である。