咢堂の世界聯邦論は人間の対立感情に就ての歴史的考察によって基礎づけられて一応はかなりの重量を示しているが、個の対立に就てなんら着目するところがないのは彼が尚相当誠意ある人間通でありながら、真に誠実なる人生の求道家ではなかったことを示しているものであろう。
彼は人の虚飾を憎み、真実なる内容のみを尊重する人の如くでありながら、実は好んで大言壮語し、自らの実力の限定に就て誠意ある内省をもっていない。
彼は政治の理論家であるが、実務家ではないのであって、彼は大臣になっても決して立派な成績を上げることはできない。