私は始めから素子のために一人の青年が必要だと考えていた。
素子がだんだん恋をしそうもなくなったので、どうもいけない、岡本の外に、若い青年を一人、と考えており、どうも私は、素子の肉体が岡本などに弄れるのが堪えられず、尚更、青年を、と考えていたのだが、私が昨日まで考えていたのは、もっとマジメな相当利巧な青年のつもりであったのに、まったく、あべこべになってしまった。
原稿紙に向うと、まるで気持が違ってしまうので、私が私の好みや感傷から割りだして、予定していたことなど、とるにも足らぬことになり、書いてみると、すぐつまらなさが分り鼻につく。