自分が山路を登りながら、始めてこの顔を見た時は、シキと云う意味をよく了解しない癖に、なるほどシキだなと感じた。
しかしいくらシキでも、こう云う顔はたくさんあるまいと思って、登って行くと、長屋を通るたんびに顔が出ていて、その顔がみんな同じである。
しまいにはシキとは恐ろしい所だと思うまで、いやな顔をたくさん見せられて、また自分の顔をたくさん見られて――長屋から出ている顔はきっと自分らを見ていた。
自分が山路を登りながら、始めてこの顔を見た時は、シキと云う意味をよく了解しない癖に、なるほどシキだなと感じた。
しかしいくらシキでも、こう云う顔はたくさんあるまいと思って、登って行くと、長屋を通るたんびに顔が出ていて、その顔がみんな同じである。
しまいにはシキとは恐ろしい所だと思うまで、いやな顔をたくさん見せられて、また自分の顔をたくさん見られて――長屋から出ている顔はきっと自分らを見ていた。