モモヒキをはき七八両盗みだして出たが小田原でゴマノハイに金をすられ、宿屋の亭主にすすめられて手にヒシャクをもち乞食をしながら旅をすることになった。
お伊勢参りを完了した直後に熱がでて松原に二十三日ほど寝倒れていたが近所の坊主が親切にしてくれ、様子を見に来てはカユなぞ恵んでくれた。
ようやく動けるようになったから、坊主に礼を云って、杖にすがって一日に一里ぐらいずつ歩き、疲れると乞食の穴へ入れてもらって六七日休息したが、食べ物は自分で貰いにでる必要があるから村へ物乞いに行くと、番太郎の六尺棒にブン殴られて村の外へつまみだされるというように、乞食生活も病気になると楽ではない。