ようやく動けるようになったから、坊主に礼を云って、杖にすがって一日に一里ぐらいずつ歩き、疲れると乞食の穴へ入れてもらって六七日休息したが、食べ物は自分で貰いにでる必要があるから村へ物乞いに行くと、番太郎の六尺棒にブン殴られて村の外へつまみだされるというように、乞食生活も病気になると楽ではない。
とはいえ、時にはウチで奉公しろとか、ウチの子供になれ、とか言ってくる人もいたが、五六日いると窮屈で、長逗留はできなかった。
また乞食になってはブラブラ歩くうちに崖から落ちてキンタマを打って気絶したのが元でキンタマが腫れて膿がしたたるようになり閉口して江戸のわが家へ戻ったが、キンタマがくずれて起居もできぬようになり、二年間外出できなかった。