事があったら斬死するつもりでいたから何も怖いことはなかったし、田舎へ戻って一家をなしている相弟子が大事にしてくれたから、その門人に稽古をつけてやったりして江戸へ帰る気がなかったのだが、兄貴の子で彼の相棒の一人たる新太郎が迎えにきたから、仕方なしに帰ることにした。
帰ると親父によびつけられて、すでに用意されていた座敷牢へ入れられた。
一ヶ月たたぬうちに二本の柱をぬけるようにしていつでも脱けだせる準備ができたが、考えてみるとみんなオレがわるいから起ったことだと発心して、二十一の秋から二十四の冬まで、まる三年あまり座敷牢の生活を我慢した。