また島原の農民一揆が天草の切支丹一揆に合流するまでにも、天草の黒幕だけではなく島原側にも土着の策師や浪人たちがレンラク談合して渡りがついたもので、この黒幕の策師たちが全て切支丹かどうかもハッキリしないが、切支丹であっても、より多く策師的であったことは十六の美少年を利用してほぼ全島的な叛乱へ持って行った謀略の数々で想像される。
このように参謀格の黒幕に限って己れの保身に長じているのは歴史も現代も語るところで、彼らがひそかに脱出に成功していることがようやく今日に至って判明したところでフシギはない。
その点、生れた土地にだけイノチの根が生えていて落ち行く先の目当てがない農民たちは、全滅以外に才覚も浮かばなかったであろう。