それが戦国時代に生れて奇妙に衆に押されて前面へでて、最後にはファッショの御大のようなクーデタをやらざるを得なくなったから何とも珍無類な古狸の化けそこないのような不手際な天下のとり方をしたのである。
政治家としては新味もなく政策も平凡な保守家で、ただ間違いがないという点で結局保守党の領袖にはなる人であったろう。
然し、いざという時に際して、いのちを賭けて乗りだしてくる気魄だけは稀であり、その賭博が野心に賭けられているのでなく、ただ現実を完うするだけの小さな現実の誠意にかかっている点で、珍重すべきものであったと思われる。