昔、越後之国魚沼の僻地に、閑山寺の六袋和尚といって近隣に徳望高い老僧があった。
初冬の深更のこと、雪明りを愛ずるまま写経に時を忘れていると、窓外から毛の生えた手を差しのべて顔をなでるものがあった。
和尚は朱筆に持ちかえて、その掌に花の字を書きつけ、あとは余念もなく再び写経に没頭した。
昔、越後之国魚沼の僻地に、閑山寺の六袋和尚といって近隣に徳望高い老僧があった。
初冬の深更のこと、雪明りを愛ずるまま写経に時を忘れていると、窓外から毛の生えた手を差しのべて顔をなでるものがあった。
和尚は朱筆に持ちかえて、その掌に花の字を書きつけ、あとは余念もなく再び写経に没頭した。