坂口安吾 『閑山』 硯の水を筆にしめして、掌の文字を洗ってやると、雪上の蔭間を縫い、闇の奥へ消え去った。 翌晩、坊舎の窓を叩き、訪う声がした。 雨戸を開けると、昨夜の狸が手に栂の小枝をたずさえ、それを室内へ投げ入れて、逃げ去った。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア