私はあとで知つたことだが、医者はもう到底駄目だと前々から思つてゐたので、毎日やつて来ては、三十分なり一時間なり、さうして弟の相手になつてやつてゐるのだつた。
ヂツと医者が弟を視ると、弟は直ぐにその次には、私の顔を見るのであつた。
その眼は澄みきつて、レンズのやうで、むしろ生き物のものといふよりは器物のやうであつた。
私はあとで知つたことだが、医者はもう到底駄目だと前々から思つてゐたので、毎日やつて来ては、三十分なり一時間なり、さうして弟の相手になつてやつてゐるのだつた。
ヂツと医者が弟を視ると、弟は直ぐにその次には、私の顔を見るのであつた。
その眼は澄みきつて、レンズのやうで、むしろ生き物のものといふよりは器物のやうであつた。