医者が帰つた後で、うつかりまた耳の下へ手をやつてゐるのを、弟の眼がマジマジとするので気が付いて、急に手を下ろすと、一瞬弟の眼は後悔の色を浮かべるのであつた。
暑い日で、扇風器が廻つてゐたが、医者が帰つたので、少しそれをとめてくれと弟は云つた。
やがてぐるりと寝返りをうつて、向ふへ向いたが、その時の頬のあたりは、今でも思ひ出すと涙が滲む。
医者が帰つた後で、うつかりまた耳の下へ手をやつてゐるのを、弟の眼がマジマジとするので気が付いて、急に手を下ろすと、一瞬弟の眼は後悔の色を浮かべるのであつた。
暑い日で、扇風器が廻つてゐたが、医者が帰つたので、少しそれをとめてくれと弟は云つた。
やがてぐるりと寝返りをうつて、向ふへ向いたが、その時の頬のあたりは、今でも思ひ出すと涙が滲む。