羨しがることはないよ。
俺の此の八年間の東京暮しは、かう/\かういふものだと、云つてやらうかとも思つたが、また云ふ気にもなれず、母が聞いては心配するばかりだと、黙つてしまつた。
そのうちに、なんとも弟の顔が見たくなつたので、蚊帳の中に這入つて行き、『では行つてくるからな』とかなんとか、云つた。
羨しがることはないよ。
俺の此の八年間の東京暮しは、かう/\かういふものだと、云つてやらうかとも思つたが、また云ふ気にもなれず、母が聞いては心配するばかりだと、黙つてしまつた。
そのうちに、なんとも弟の顔が見たくなつたので、蚊帳の中に這入つて行き、『では行つてくるからな』とかなんとか、云つた。