冷たい軽い風のある日で、ワイシャツの袖口あたりに、ウブ毛の風に靡くのが感じられるやうなふうであつたことを記憶してゐる。
道に沿つたお寺の、白い塀壁の表面のウス黒い埃りや、そこに書いてあつた〈へのへのもへじ〉なぞも、目に留つてゐて離れない。
その塀に沿つた、紙や泡のヒヨロヒヨロと顫へてゐるドブは、それを見ながら歩くことが嫌ではなかつた。
冷たい軽い風のある日で、ワイシャツの袖口あたりに、ウブ毛の風に靡くのが感じられるやうなふうであつたことを記憶してゐる。
道に沿つたお寺の、白い塀壁の表面のウス黒い埃りや、そこに書いてあつた〈へのへのもへじ〉なぞも、目に留つてゐて離れない。
その塀に沿つた、紙や泡のヒヨロヒヨロと顫へてゐるドブは、それを見ながら歩くことが嫌ではなかつた。