紙数に余裕があるので、何かのために、左の言葉を手帖より抜書きして擱筆することとする。
「此の世の中から、もののあはれを除いたら、あとはもう意味もない退屈、従つて憔燥が残るばかりであらう。
それで、今仮に詩的性情を持つ一青年があつたとして、かの成巧せる実業家、成巧せる政治家が、子供や孫、一族郎党でもゐなかつたとしたら、どんなに退屈するものであるかは、一寸理解され難いのである。
紙数に余裕があるので、何かのために、左の言葉を手帖より抜書きして擱筆することとする。
「此の世の中から、もののあはれを除いたら、あとはもう意味もない退屈、従つて憔燥が残るばかりであらう。
それで、今仮に詩的性情を持つ一青年があつたとして、かの成巧せる実業家、成巧せる政治家が、子供や孫、一族郎党でもゐなかつたとしたら、どんなに退屈するものであるかは、一寸理解され難いのである。