而して夢が実践されるは情意的であり、――かくて、情けを否認するは否認者自身の生を否認することであり、生存者が生存を否認することは不可能であり、結局さらば彼の否認とはほんの心理的一事実に過ぎないとなら、さつさと人々は情けを認容し、謂はばチエホフの微笑の中に行き、――近代よ、汝の神経衰弱より放たれるがよい。
甞て彼――一近代病者は、「情けぞ人の命なる」といふヴェルレーヌが一詩に不図心惹かれ、惹かれた迄はつつましやかであつたが、惹かれ終つて彼はそはそはしはじめた。
「どうしたのだ」と訊ねると、羞むともなく羞みながら、「それでは私の場合では何を愛せばよいか?