蠅が自分を障子にブツ突ける音がパタツとした。
耕二には、父の少しでも能く目の当る所をといふので、父の居間と襖一重隔てた三畳の間が与へられてあつた。
兄が湯から上つて来ると、耕二がボールをグラムに投げ込んではまたボールを手に取つて投げ込む――それを殆んど無意識に繰り返してゐるらしい音が、三畳の間でしてゐた。
蠅が自分を障子にブツ突ける音がパタツとした。
耕二には、父の少しでも能く目の当る所をといふので、父の居間と襖一重隔てた三畳の間が与へられてあつた。
兄が湯から上つて来ると、耕二がボールをグラムに投げ込んではまたボールを手に取つて投げ込む――それを殆んど無意識に繰り返してゐるらしい音が、三畳の間でしてゐた。