これはただ事でないとたちまち跳ね起きて、襯衣一枚の見苦しい姿ながら囲炉裏の傍へ行って、親指と人差指の間に押えた、米粒ほどのものを、検査して見ると、異様の虫であった。
実はこの時分には、まだ南京虫を見た事がないんだから、はたしてこれがそうだとは断言出来なかったが――何だか直覚的に南京虫らしいと思った。
こう云う下卑た所に直覚の二字を濫用しては済まんが、ほかに言葉がないから、やむを得ず高尚な術語を使った。
これはただ事でないとたちまち跳ね起きて、襯衣一枚の見苦しい姿ながら囲炉裏の傍へ行って、親指と人差指の間に押えた、米粒ほどのものを、検査して見ると、異様の虫であった。
実はこの時分には、まだ南京虫を見た事がないんだから、はたしてこれがそうだとは断言出来なかったが――何だか直覚的に南京虫らしいと思った。
こう云う下卑た所に直覚の二字を濫用しては済まんが、ほかに言葉がないから、やむを得ず高尚な術語を使った。