却々瀟洒な不平だよ、高級でいらつしやいますね。
而も、文学志望で文学が書けぬといへば、尠くも近頃は「困つた」と思ふが、「いいものを書いてゐるが認められぬ」といふことは、「まあまあそのうちなんとかなるよ」と、それも甚だ好い気な調子で肩叩かれる。
我が国民はどうも論理性に乏しいだの、妥協的だの、低俗プラグマチックだの、近頃ではまた、「低い意味のリアリスト」だのとも云はれてゐるが、民族に於ける論理性は、蓋し個性を尊長するところから発展するのであり、話の内容如何に関らず、その話しつぷりが温しくさへあればいい心理派こそ、論理性に対する、柔和にして蔓り易い敵なのである。