かくて芸術に生活上の指導原理を望むなぞと唱へる人達は、謂はば芸術を芸術の立場から引抜かうとしてゐるが如きものであつて、
もともと芸術といふものが、芸術的欲求に発祥したものであり、もし生活的欲求に発祥したものならば、生活に属するものであつて芸術に属するものではないといふことを諒解せぬのか、それともその人達が、もともと左程芸術的欲求なるものを感じたことはないかの何れかであらう。
要するに芸術的欲求の起原たる直観の稀薄を措いて、且はその直観が人為的に増減を許さぬものであることを措いて、芸術不振をたゞ不振であるからとて何とかしようとする一切の提案は、徒労に終ることに気が付かなければならぬ。