「五十人の生徒をあづかつてゐるのだから、その人間が自分一人の用事のために学校を休むなぞといふことはなりません」と、叔母は茶棚を片附けながら、押入れの中を拭いてゐる僕に喋舌りつづけてゐた。
僕の先刻捨てに行つた塵芥が、裏庭の風の吹いて来る方寄りであつたことを「誠意がない」と勝手に決めて始めたお説教以来ブツ続けである。
僕としてたゞまだ塵芥箱もないことだし、隅ッコに暫時捨てたわけで、おまけにそこらに前ゐた人が捨てて行つたのだらう、ボール箱や新聞紙のキレが相当散らかつてゐたので、そのお説教が始まつた時は全く意外であつた。