つまり私は当時猶赤坊であつた。
私の此の眼も、慥かに一度は、そのマストを映したことであつたらうが、もとより記臆してゐる由もない。
それなのに何時も私の心にはキチツと決つた風景が浮ぶところをみれば、或ひは潜在記臆とでもいふものがあつて、それが然らしめるのではないかと、埒もないことを思つてみてゐるのである。
つまり私は当時猶赤坊であつた。
私の此の眼も、慥かに一度は、そのマストを映したことであつたらうが、もとより記臆してゐる由もない。
それなのに何時も私の心にはキチツと決つた風景が浮ぶところをみれば、或ひは潜在記臆とでもいふものがあつて、それが然らしめるのではないかと、埒もないことを思つてみてゐるのである。