と、心持寒い風が、彼のその帽子を被つてない頭を撫でてゆくのだつた。
その通りを行き切つて、明るい旧通りへ出ると、そこから直ぐと近くにある、彼が三年前に屡々買つたり売つたりしてゐた古本屋に、チヨツと寄つてみようかといふ気が起つた。
「今晩は」と彼は云つた。
と、心持寒い風が、彼のその帽子を被つてない頭を撫でてゆくのだつた。
その通りを行き切つて、明るい旧通りへ出ると、そこから直ぐと近くにある、彼が三年前に屡々買つたり売つたりしてゐた古本屋に、チヨツと寄つてみようかといふ気が起つた。
「今晩は」と彼は云つた。