夏が来ると思ふと私の裡に浮んでくる感慨を書きたかつたのだが、その感慨といふのが、凡そ話になぞなる種類のものではなく、忽ちに変る停車場のプラットホームの一瞬の景色が、其の後永く印象に残つて、たつたそれしきのことにもせよ、眼に浮ぶたびには身も世もあらぬ気持になつたりもするのであるが、それを描き出さうといふには、私の筆はあんまり拙い。
由来、その点、身も世もあらぬ思ひもあらば、また何かの形で、歌となつて出ることもあるであらうといふ、はかない念願を抱懐することに終つてゐる。
今年も旅をするであらう。
夏が来ると思ふと私の裡に浮んでくる感慨を書きたかつたのだが、その感慨といふのが、凡そ話になぞなる種類のものではなく、忽ちに変る停車場のプラットホームの一瞬の景色が、其の後永く印象に残つて、たつたそれしきのことにもせよ、眼に浮ぶたびには身も世もあらぬ気持になつたりもするのであるが、それを描き出さうといふには、私の筆はあんまり拙い。
由来、その点、身も世もあらぬ思ひもあらば、また何かの形で、歌となつて出ることもあるであらうといふ、はかない念願を抱懐することに終つてゐる。
今年も旅をするであらう。