その伯父のすぐ下の弟――つまり三造にとっては斉しく伯父であるが――の、極端に何も求むる所のない、落著いた学究的態度の方が、彼には遥かに好もしくうつった。
その二番目の伯父は、そのようにして古代文字などを研究しながら、別にその研究の結果を世に問おうとするでもなく、東京の真中にいながら、髪を牛若丸のように結い、二尺近くも白髯を貯えて隠者のように暮していた。
その「お髯の伯父」(甥たちはそう呼んでいた。
その伯父のすぐ下の弟――つまり三造にとっては斉しく伯父であるが――の、極端に何も求むる所のない、落著いた学究的態度の方が、彼には遥かに好もしくうつった。
その二番目の伯父は、そのようにして古代文字などを研究しながら、別にその研究の結果を世に問おうとするでもなく、東京の真中にいながら、髪を牛若丸のように結い、二尺近くも白髯を貯えて隠者のように暮していた。
その「お髯の伯父」(甥たちはそう呼んでいた。