いまだかつて伯父は彼の事を「さん」づけにして呼んだことはなかったはずである。
いつも三造、三造の呼棄であった。
彼は、その伯父の呼方の変化に、伯父の気力の衰えを見たというよりは、何かしら伯父の精神状態が異常になっているのではないかというような不安が感じられて、ギョッとしながら、傘をもって階段を下りて行った。
いまだかつて伯父は彼の事を「さん」づけにして呼んだことはなかったはずである。
いつも三造、三造の呼棄であった。
彼は、その伯父の呼方の変化に、伯父の気力の衰えを見たというよりは、何かしら伯父の精神状態が異常になっているのではないかというような不安が感じられて、ギョッとしながら、傘をもって階段を下りて行った。