それはもっと会体のしれない、気味の悪い不快さであった。
眼をつぶったまま揺られつづけている伯父を、暗い車燈の下に眺めながら、彼は「この世界で冗談にいったことも別の世界では決して冗談ではなくなるのだ」という気がした。
(そのくせ、彼はふだん決して他の世界の存在など信じてはいないのだが)すると、伯父の詩の蛇身という言葉が、蛇身という文字がそのまま生きてきて、グニャグニャと身をくねらせて車室の空気の中を匍いまわっているような気持さえしてくるのであった。
それはもっと会体のしれない、気味の悪い不快さであった。
眼をつぶったまま揺られつづけている伯父を、暗い車燈の下に眺めながら、彼は「この世界で冗談にいったことも別の世界では決して冗談ではなくなるのだ」という気がした。
(そのくせ、彼はふだん決して他の世界の存在など信じてはいないのだが)すると、伯父の詩の蛇身という言葉が、蛇身という文字がそのまま生きてきて、グニャグニャと身をくねらせて車室の空気の中を匍いまわっているような気持さえしてくるのであった。