次に三造が受取った伯父についての報知は、いよいよ胃癌で到底助かる見込の無いことを伯父自身に知らせたということ――それは、もうずっと以前から分っていたことだが、病人の請うままにそれを告げてよいか、どうかを医者が親戚たちに計った時、伯父の平生の気質から推して、本当のことをはっきり言ってしまった方がかえって落著いた綺麗な往生が遂げられるだろうと、一同が答えたのであるという。
――そして、どうせ助からないなら病院よりは、というので、洗足の家へ引移ったということであった。
なお、その親戚の一人からの手紙には、「助かる見込のない事を宣告された時の伯父は、実に従容としていて、顔色一つ変えなかった」と附加えてあった。