中島敦 『斗南先生』 身体には、もうほんの少しの肉も残されていない。 意識が明瞭なので、それだけ苦痛が激しいのである。 筋だらけの両の手の指を硬くこわばらせ、その指先で、寝衣の襟から出たこつこつの咽喉骨や胸骨のあたりを小刻みに顫えながら押える。 中島敦の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア