厳しい宗教的雰囲気の中に育てられた白面病弱の坊ちゃんが、急に、自らの純潔を恥じ、半夜、父の邸を抜け出して紅灯の巷をさまよい歩いた。
ヴィヨンを気取り、カサノヴァを気取る此の軽薄児も、しかし、唯一筋の道を選んで、之に己の弱い身体と、短いであろう生命とを賭ける以外に、救いのないことを、良く知っていた。
緑酒と脂粉の席の間からも、其の道が、常に耿々と、ヤコブの砂漠で夢見た光の梯子の様に高く星空迄届いているのを、彼は見た。
厳しい宗教的雰囲気の中に育てられた白面病弱の坊ちゃんが、急に、自らの純潔を恥じ、半夜、父の邸を抜け出して紅灯の巷をさまよい歩いた。
ヴィヨンを気取り、カサノヴァを気取る此の軽薄児も、しかし、唯一筋の道を選んで、之に己の弱い身体と、短いであろう生命とを賭ける以外に、救いのないことを、良く知っていた。
緑酒と脂粉の席の間からも、其の道が、常に耿々と、ヤコブの砂漠で夢見た光の梯子の様に高く星空迄届いているのを、彼は見た。