ヴィヨンを気取り、カサノヴァを気取る此の軽薄児も、しかし、唯一筋の道を選んで、之に己の弱い身体と、短いであろう生命とを賭ける以外に、救いのないことを、良く知っていた。
緑酒と脂粉の席の間からも、其の道が、常に耿々と、ヤコブの砂漠で夢見た光の梯子の様に高く星空迄届いているのを、彼は見た。
一八九二年十一月××日
ヴィヨンを気取り、カサノヴァを気取る此の軽薄児も、しかし、唯一筋の道を選んで、之に己の弱い身体と、短いであろう生命とを賭ける以外に、救いのないことを、良く知っていた。
緑酒と脂粉の席の間からも、其の道が、常に耿々と、ヤコブの砂漠で夢見た光の梯子の様に高く星空迄届いているのを、彼は見た。
一八九二年十一月××日