みんな、あの若い傲慢な衛侯と、それを輔ける・しかつめらしい老獪な上卿・孔叔圉(自分の姉の夫に当る爺さんだが)の下で、蒯聵などという名前は昔からてんで聞いたこともなかったような顔をして楽しげに働いている。
明け暮れ黄河の水ばかり見て過した十年余りの中に、気まぐれで我が儘だった白面の貴公子が、何時か、刻薄で、ひねくれた中年の苦労人に成上っていた。
荒涼たる生活の中で、唯一つの慰めは、息子の公子疾であった。
みんな、あの若い傲慢な衛侯と、それを輔ける・しかつめらしい老獪な上卿・孔叔圉(自分の姉の夫に当る爺さんだが)の下で、蒯聵などという名前は昔からてんで聞いたこともなかったような顔をして楽しげに働いている。
明け暮れ黄河の水ばかり見て過した十年余りの中に、気まぐれで我が儘だった白面の貴公子が、何時か、刻薄で、ひねくれた中年の苦労人に成上っていた。
荒涼たる生活の中で、唯一つの慰めは、息子の公子疾であった。