前から考えていた通り、己と亡命の苦を共にした公子疾を彼は直ちに太子と立てた。
まだほんの少年と思っていたのが、何時しか堂々たる青年の風を備え、それに、幼時から不遇の地位にあって人の心の裏ばかりを覗いて来たせいか、年に似合わぬ無気味な刻薄さをチラリと見せることがある。
幼時の溺愛の結果が、子の不遜と父の譲歩という形で、今に到る迄残り、はたの者には到底不可解な気の弱さを、父は此の子の前にだけ示すのである。
前から考えていた通り、己と亡命の苦を共にした公子疾を彼は直ちに太子と立てた。
まだほんの少年と思っていたのが、何時しか堂々たる青年の風を備え、それに、幼時から不遇の地位にあって人の心の裏ばかりを覗いて来たせいか、年に似合わぬ無気味な刻薄さをチラリと見せることがある。
幼時の溺愛の結果が、子の不遜と父の譲歩という形で、今に到る迄残り、はたの者には到底不可解な気の弱さを、父は此の子の前にだけ示すのである。