幼時の溺愛の結果が、子の不遜と父の譲歩という形で、今に到る迄残り、はたの者には到底不可解な気の弱さを、父は此の子の前にだけ示すのである。
此の太子疾と、大夫に昇った渾良夫とだけが、荘公にとっての腹心といってよかった。
或夜、荘公は渾良夫に向って、先の衛侯輒が出奔に際し累代の国の宝器をすっかり持去ったことを語り、如何にして取戻すべきかを計った。
幼時の溺愛の結果が、子の不遜と父の譲歩という形で、今に到る迄残り、はたの者には到底不可解な気の弱さを、父は此の子の前にだけ示すのである。
此の太子疾と、大夫に昇った渾良夫とだけが、荘公にとっての腹心といってよかった。
或夜、荘公は渾良夫に向って、先の衛侯輒が出奔に際し累代の国の宝器をすっかり持去ったことを語り、如何にして取戻すべきかを計った。