中島敦 『悟浄出世』 悟浄は、魂が甘く疼くような気持で茫然と永い間そこに蹲っていた。 そのうちに、渠は奇妙な、夢とも幻ともつかない世界にはいって行った。 水草も魚の影も卒然と渠の視界から消え去り、急に、得もいわれぬ蘭麝の匂いが漂うてきた。 中島敦の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア