中島敦 『プウルの傍で』 空には先刻の黄色い小さな雲が見えなくなっていた。 蜻蛉がすいと、彼のすぐ顔の上を掠めて行った。 三造の記憶の中で、一昨日通った奉天と、八年も前に、彼がこの中学校の生徒だった時分、修学旅行に行ったときの奉天とが混じり合っていた。 中島敦の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア