中島敦 『プウルの傍で』 その頃彼ははじめてハモニカを吹くことを覚えた。 夕方になると、その金属の冷たい手触りを喜びながら、植民地の新開地じみた場末の二階の窓から、茜色の空を眺めてはハモニカを吹くのであった。 彼は十七歳であった。 中島敦の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア