尊いお方に僕たちの命はすでにおあずけしてあるのだし、僕たちは御言いつけのままに軽くどこへでも飛んで行く覚悟はちゃんと出来ていて、もう論じ合う事柄も何もない筈なのに、それでも互いに興奮して、所謂新日本再建の微衷を吐露し合ったが、男の子って、どんな親しい間柄でも、久し振りで逢った時には、あんな具合に互いに高邁の事を述べ合って、自分の進歩を相手にみとめさせたい焦躁にかられるものなのかも知れないね。
バルコニイに出てからも、君は、日本の初歩教育からして駄目なんだと怒り、
「小さい時にどんな教育を受けたかという事でもう、その人の一生涯がきまってしまうのだからね。