自分の杯に親しまないのを知ったお兼さんは、ある時こういう述懐を、さも羨ましそうに洩らした事さえある。
それでも岡田が顔を赤くして、「二郎さん久しぶりに相撲でも取りましょうか」と野蛮な声を出すと、お兼さんは眉をひそめながら、嬉しそうな眼つきをするのが常であったから、お兼さんは旦那の酔うのが嫌いなのではなくって、酒に費用のかかるのが嫌いなのだろうと、自分は推察していた。
自分はせっかくの好意だけれども宝塚行を断った。
自分の杯に親しまないのを知ったお兼さんは、ある時こういう述懐を、さも羨ましそうに洩らした事さえある。
それでも岡田が顔を赤くして、「二郎さん久しぶりに相撲でも取りましょうか」と野蛮な声を出すと、お兼さんは眉をひそめながら、嬉しそうな眼つきをするのが常であったから、お兼さんは旦那の酔うのが嫌いなのではなくって、酒に費用のかかるのが嫌いなのだろうと、自分は推察していた。
自分はせっかくの好意だけれども宝塚行を断った。