自分はこっち側に客は一人もいないつもりでいたので、ちょっと驚かされた。
しかし女が繰返して、「そんならもう帰して貰いますぜ」というような言葉を二三度用いたので、隣の客が女に送られて茶屋からでも帰って来たのだろうと推察してまた眠りに落ちた。
それからもう一度下女が雨戸を引く音に夢を破られて、最後に起き上ったのが、まだ川の面に白い靄が薄く見える頃だったから、正味寝たのは何時間にもならなかった。
自分はこっち側に客は一人もいないつもりでいたので、ちょっと驚かされた。
しかし女が繰返して、「そんならもう帰して貰いますぜ」というような言葉を二三度用いたので、隣の客が女に送られて茶屋からでも帰って来たのだろうと推察してまた眠りに落ちた。
それからもう一度下女が雨戸を引く音に夢を破られて、最後に起き上ったのが、まだ川の面に白い靄が薄く見える頃だったから、正味寝たのは何時間にもならなかった。